泡沫

そんなこととか 君のこととか

2022.06.30

自分のフルネームをこれでもかってくらい書いた。異様なほど梅雨明けが早かった夏に、特別愛着のない、20年ほど暮らした街を出る。

とても不純な動機で実家を出たくなって、仕事もうまくいかなくて、それならいっそ将来を共にしたい恋人の住む街の近くにいこっかな。こんな感じ。社会人1年目は、それはそれは悲惨だった。まわりができていること、続けられていることが自分にはできなくて、メソメソしてばっかりだった。あれ、私こんなはずじゃなかったんだけどな。初めて心療内科に行って診断名が出されたり、それを元に休職をしたり。当時わたしはまだ大丈夫だと思っていたけど、明日がこわくて仕方なくて、夜中にからだが硬直したり、眠いのに眠れなかったり、異様なほど疲れがとれなかったり、大好きなはずの音楽への興味がさっぱりなくなったり、ひたすら寝て過ごす休日が当たり前だったり、朝日を見てからじゃないと眠れない毎日が続いたり。こころがヘルシーになった今思うと、あの頃はだいぶおかしくなってたな〜と、やっと気がついた。1つ目の職場のくそみたいな上司に「挫折ってしたことある?」ってくそみたいな質問をされたことは未だに覚えているけど、いまだったら「22歳の頃。」ってはっきり言い切れる。新しい職場はやっと、本当にやっと恵まれて、「頑張ってるあなたも素敵だね。」と恋人に言われた瞬間、色々なものが込み上げてきて寿司屋で号泣してしまった。

ああ、私つらかったんだな。

新しく暮らす街は買いものにも困らなさそうだし、でかい川が流れているし、なんだか好きになれそうな予感。

これから、です。

 

これから / LOSTAGE