泡沫

そんなこととか 君のこととか

2022.09.07

最寄駅のトイレに綺麗に生けた花があった。やけに黄色に溢れてるなあと思ったら、「9月10日は十五夜です」と言葉が添えられていた。へえ、もうそんな時期なんだ。残暑は勘弁だよ。秋が待ち遠しい。

来年の春、新卒の子が入職するらしい。らしいというか、この間面接に来てたから話したんだけど。先輩がひと通り案内した後、入職して数ヶ月の先輩がいるから話してみない?という、事前に打ち合わせしてた通りの流れで、話した。人見知りらしく、先輩とスーパー和やかな雰囲気をつくってもガチガチに緊張して1つも質問してこなかった彼女。「週5日もきて、家族や友達以上に顔を合わせる人がいる場所になるわけだから、一緒に働けたらとても嬉しいけど、焦らず決めてね。」などと先輩ぶってしまった。春までに、私はどれだけ成長できてるだろう。仕事が楽しいって本当にすごいことなんだよ。きっとうまく生き残ろう。

帰宅すると、まだ木の匂いがする。少し前に届いた机。こだわった円卓。お気に入りのランチョンマットを敷いて、好きなお姉さんが編んだコースターを乗せて。ささやかな幸せ。私はひとり暮らしが、かなり向いてる。私の席の向かいにはもう1枚のランチョンマット。洗面台に並ぶ歯ブラシ。色ちがいで買ったお箸。つい、恋人のぶんまで買ってしまう癖。失ってしまうのがこわくなるときがある。自分でも驚くくらい、大好きな人。どうかずっとそばにいてね。酔。

 

潮風の人 / Laura day romance